《笑顔とジェスチャー、片言の現地の言葉があれば、海外旅行に怖いものはない》
だいたい旅をするのに、言葉は必要ではない。
かえって言葉がわかると、意思が通じてしまって、相手を嫌いになったりするものだ。
世の中というものは、相手の考えや感情がわからないほど、うまく行く。
それは、結婚生活を考えてみればわかる。
相手のことがよくわからなかった恋愛時代は、相手の理解できない部分を、いいほうにいいほうに考えて、恋が燃え上がる。
しかし、結婚して一緒に生活をしてみると、次々とアラが見えてくるものだ。
それは、日本の女の子が外国人男性と恋愛するときのようなものなんだよ。
言葉がわからず、相手が何を考えているか理解できないので、いいほうにいいほうに考えてしまって、ますます好きになる。
でも、一緒に住んでいて、だんだん言葉で理解し合えるようになると、喧嘩をして、別れてしまう。
特に海外旅行では、出会う人と深く付き合うことはない。
だから、言葉はカタコトにとどめておいて、人のよさそうな笑顔をして、ジェスチャーで意思を通じると決めてしまった方が、楽かもしれないよね。
たいして言葉も出来ないが、ニコニコしていて、ジェスチャーが大きい外国人を誰も嫌ったりしない。
それは、日本人が外国人を判断する時を考えてみればすぐにわかるよ。
片言の外国人が、ニコニコして、大きなジェスチャーをしていれば、何か助けてあげたいと思う。
言葉がわからない外国人を、騙してやろうなんて、そんな面倒なことは誰も考えない。
なにしろ言葉がわからないんだから(笑)。
これに対して、僕たちが、町で、日本語ぺらぺらの外国人に出会ったら、怪しいと思うよ。
言葉が話せる怪しい外国人と関係を持つと、トラブルが起きるかもしれないので、親切にもしたくない。
出来るだけ離れていたいと考えて、相手から親しくされても、避けるのが普通だ。
これは外国で外国語をぺらぺらしゃべる日本人の場合も同じ扱いなんだよ。
ジェスチャーでは買い物なんかできないと思うかもしれないが、食べ物は人が食べているものを指差せばいい。
買い物をして、数字がわからないときは、値段を紙に書いてもらえばいいだけだ。
僕は、ナイロビで殺虫スプレーをジェスチャーで買ったことがある。
また、イスタンブールでは、コンドームもジェスチャーで入手したよ(オイオイ…)。
だから、たとえ英語が出来たとしても、難しい英語は使わないほうがいいってことになる。
ニコニコして、簡単な英語を使って、ジェスチャーを使えば、出会う人みんなが親切にしてくれて、詐欺師も声をかけてこない。
ほんの少し、簡単な現地の言葉を覚えておけばいい。
僕はトルコを「ギュナイデュン(おはよう)」「テシュックリデリム(ありがとう)」「ベンジャポノム(僕は日本人です)」の3つのフレーズだけで旅行したことがあるよ。
イスラム圏では、「サラマレコン」と声をかけて、向こうから声をかけられたときは「アレコンサラーム」というと、すぐに親しくなれました。
意味は、わかりません(ウソ)。
これって、最強の旅行法でしょ。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20091013