『海外旅行英語講座・その1/英語でどう言ったらいいかすこしでも迷ったら、日本語で話す』
「変に気取って、スコチャンワーラーなどと言うと、理解されずに恥をかく」の巻

【世界旅行者@ニューヨーク地下鉄五番街駅にて】
僕が毎年恒例になっていたロサンゼルス詣でのとき、隣の席にいやに気取った若者が座った。
若者といっても僕から見ての若者だから、30歳前後でした。

僕は、飛行機で隣の席になった人には、一応、声をかけることにしている。
トイレに行きたい時、食事のトレイをもらうときなどを考えると、ある程度知り合っておいた方がいいからです。

でもまあ、相手を見ますけどね。
いまは、自分が通路側なら、無理に知り合う必要はないです。

でも、自分が通路側で、隣に上品そうな美女が座った時は、声をかけるといいでしょう。
「おしっこをしたいときは、いつでも声をかけてくださいね♪」ってね。

さて、この隣に座った若者は、変に飛行機に慣れたような雰囲気を、出していた。
飛行機慣れしている、海外慣れしている雰囲気を出すと言う意味は、旅行の素人だってこと。

こういう旅行素人は、飛行機に乗っただけで、自分が偉くなったように勘違いすることがある。
そう思ったが、どういう人間かわからないので、一応いろいろ聞き出してみる。

僕は取って付けたように相手を褒め上げるのが上手。
相手を持ち上げて、「ロサンジェルスは長いんですか〜(笑)♪」と、おだてまくりました。

とはいっても、僕以上のロサンジェルス経験がある人間がいるはずもないわけです。
だって、僕は仕事をせずに、トータルで一年以上ロサンジェルスをうろうろしてたわけだからね。

でもまあいろんな話を振ってみて、たいしたレベルの人間ではないと見切りる。
特に面白い話をもっているわけでもないし、頭もよくない。

ただ僕が相手のロサンジェルス滞在に、心にもなく感心したようなことを言った影響が出てしまった。
僕は「僕も英語を何年もやってますが、英語は難しいですねー(涙)」と卑下したりしました。

僕は、ケンブリッジ英検特級(CPE)を持ってますから、米国人よりもずっとまともな英語を話します。
ところが僕が彼を変に持ち上げたために、彼は英語慣れしていると僕に見せなければいけない気分になる。
ある意味では、僕がそう追い込んだと言えるかもしれない(涙)。
彼は、英語が読めることを示そうと、無理矢理に機内で配られたロサンジェルスタイムズを読み始める。
僕は、彼の知的レベルを見切っていたので、「読めもしない英字新聞を読まなくてもいいのに…」と思いました。

しかし、「英語が読めないでしょうから、無理しなくていいですよ」とは、いくらあつかましい僕でも言えません。
僕はもちろん、ロサンジェルスでは貴重な、(国際衛星版ではない)日本で発行された朝日新聞を読みました。

そこにスッチーがやってきて、飲み物のオーダーを取る。
かれは、「スコチャンワーラー」と答えた。

僕は「スコチャンワーラー」とは、なんだろうと考える。
でも、彼は英語を英語風に話したい人だと理解したので、「Scotch and water」と言いたいのが、すぐにわかりました。

普通に、日本人英語で「ウィスキーアンドウォーター」と話せば、スッチーもわかったはず。
なにしろこれは、成田ーロサンジェルス線でしたから。

でも、白人スッチーは、彼が何を言ってるのかわからないので、ビールを渡しました。
多分何かビールの銘柄のことだろうと考えたのでしょう。

僕はスッチーに、日本語でわざと「水割り、お願いします」と答えました。
すると、スッチーは「ハイ、ミズワリ♪」と、水割りを出してくれる。

成田ーロサンジェルス線に乗っているスッチーは、「水割り」くらいは、知っているものです。
だって、毎日日本人のために、水割りを作っているのですから。

ここの教訓、下手な英語を使わずに、日本語を言えばわかるもの。
早い話、英語の下手な人は、変に英語を話さない方がいい。

日本語で話をして、欲しいものを指差せばそれでいいんです。
普段使ってない頭を使って、無理に英語を話すよりは、日本語で話した方が精神的にもいいでしょう。

これが、「海外旅行英語講座・その1」です。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20090307#p1