『英語のジョークブックは、文章が短く飽きないばかりか、冗談の意味を考えるので頭がよくなる』

Blanche Knott's Truly Tasteless Jokes IV
僕は、いまはなき洋書専門店、銀座の「イエナ書店」に、会社員をしていたころから、よく通っていた。
海外部門に属していたので、仕事でも英語の書類を読み、英語の書類を書いていたからね。

とにかく英語の本を読まなければならないが、それに一番いいのは、自分に興味のある本を読むことだ。
僕の場合は、それは、英語の戦記、英語のエッチ本だったけどね。
それ以外では僕は、ジョークブック(英語の冗談を書いてある本)をよく読んでいた。
英語のジョークブックというのは、一つ一つの文章が短い。
長くても、1ページ半くらいだ。
短いものになると、1行か2行でオチがつく。
これだと、英語を読むことに飽きたり、疲れることがない。
またツボに入ると、大笑いできるし、一つ面白いものを見つけると、どんどん読みたくなるものだ。

面白くなくても、一応オチがある。
そのオチは、理解できる場合もあるが、外国の常識がないと理解できない場合もある。

英語の意味がよくわからない場合は、英語が話せる外国人に質問する理由になる。
外国人も、冗談の意味を聞いてくる日本人には、興味を持ってくれるものだ。

最終的にわかろうとわかるまいと、そこで、ああでもないこうでもない、と頭を使う。
これは、英語のオチを考えるわけだから、英語の勉強にもなるばかりか、頭もよくなるよ。

さらには、英語のジョークの場合は、エスニックジョーク(人種によるジョーク)が多いものだ。
すると、そのジョークの根底には常識としての「人種の見方」というものが存在する。

冗談を通して英語社会の常識というものが、身に付くわけだよ。
その常識は、ジョークの理解だけではなくて、英語を使う他の状況でも役に立つわけだ。

またもちろん、欧米人が日本人をどう見ているか、という理解にも役に立つ。
ちなみに、日本人に対しての冗談は、正直、ほとんど存在しない。

無理矢理に日本人を題材にした冗談を集めた本も日本で出版されている。
実は、日本人に対しての冗談はほとんど存在しないのだから、著者がでっち上げたウソなんだよ。

日本人というのは、冗談にもする必要がないほど、世界中から無視されているわけだ。
「日本人が世界中から無視されている」理由は、正直、話が面白くないからだ。

日本人の話が面白くないのは、冗談を言えないから。
世界中では、とにかく、初めて会ったらすぐに冗談を言わないと、つまらない人間だと無視されるものなんだ。

だから、英語のジョークは、日本人のビジネスマンには必須なんだけどね。
そんな日本人はほとんど存在しない。

もちろん、これはビジネスだけの話ではない。
旅先で外国人と親しくなるには、冗談を言い合うことが大事だ。

まあ、誰でも知っている日本人の話すジョークとしては、ドイツ人と会ったら「次はイタリア人抜きでやろう!」というやつ。
これは、ドイツ人は必ず知っているもの。

僕は、2006年に中国の陽朔で自転車に乗ってたとき、後ろから追いついてきたドイツ人言った。
「僕はドイツ人だ」と相手が言う、それに「僕は日本人だ」と答えたあと、この冗談を話した。

この冗談は定番なので、ドイツ人にもウケました。
ドイツ人と日本人が会ったら、「次はイタリア人抜きで」というのは、あまりにベタな冗談なんだよね。

さて、僕が好きだったのは、Blanche Knottの「Truely Tasteless Jokes」だった。
僕は「Truely Tasteless Jokes」は、20冊くらい集めた。

ジョークブックとはいっても、そこには著者の性格が出るものなんだよね。
「Totally Gross Jokes」のシリーズは、僕の感性には合わなかった。

Terribly Gross Jokes
「The New York City Cab Driver's Joke Book 」は、なかなか品があって、笑えた。
ただこの本も、二作目よりも、一作目の方がずっといい。

The New York City Cab Driver's Joke Book
いま検索したら、「The Ultimate Dirty Joke Book」というのが人気みたいだ。
冗談というのは、心の底にある真実に訴えかけるもの。
だから、出来るだけ、下品で、人種的偏見があったほうが、面白いといえるでしょうね。
日本人は、下品だとも思われてないし、たいした偏見ももたれていない。

The Ultimate Dirty Joke Book
でもまあ、冗談を作られる方が、日本人みたいに、外国人から「どうでもいい」と思われているよりはいいかも。
偏見に満ちた冗談のネタにされている方が、実は、愛されているのかもしれません。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20090720